新型ハリアーの加速は、エンジンの違いでどれくらい変わる?
2017年6月のビッグマイナーチェンジで、新たにターボ車が追加されたトヨタ 新型ハリアー。
それまで2000ccガソリン車と2500ccハイブリッド車のみだったパワーユニット(=エンジン)に、
コンセプトの明確なターボ車が追加されることで、ラインナップの彩りが豊かになりました。
またライバル車を見ても、ハイパワーのターボ車やディーゼルターボ車がラインナップされており、
そうした車種に対抗する意味もあると思われます。
それでは「速度を上げた飛ぶ鳥」がどれほどのものか、検証していきたいと思います。
引用:https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcSMEOppn2ExLX5V0wnq4CP2hUztPFjcVDpRUyagRbr4sM_X4__Z
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新型ハリアーのスペックはどのようなコンセプトで作り出されたのか?
引用:https://car-oyakudati.com/haria-ta-bo-rekusaunxhikaku-973
トヨタ 新型ハリアーの「自分探し」
トヨタ 新型ハリアーのコンセプトはずばり「街を駆ける上質」です。
高級クロスオーバーSUVという概念を作り出したクルマで、高級セダンの乗り心地に快適な室内空間を与えることを目的として生み出されました。
一時期はトヨタ アルファード/ヴェルファイアや日産 エルグランドにお株を完全に奪われた格好になっていましたが、
近年のSUVブームによって、その存在感を改めて示す形となりました。
つまりこうしたジャンルを牽引するクルマであり、その地位は絶対的なものと思われてきました。
そんなトヨタ 新型ハリアーですが、実は一度市場から姿を消したことがあります。
2003年2月に登場した2代目(ACU・MCU・GSU3)ハリアーは、2012年9月に生産終了となりました。
現行型(ZSU・ASU・AVU6)ハリアーの登場が2013年11月、ハイブリッド車に至っては2014年1月ですので、
実に1年以上もの間、市場から姿を消していたことになります。
本当にミニバンばかりが売れていた「ミニバンブーム」の時期が存在し、そのあおりを受けて販売で苦戦していたことと、
海外市場におけるモデルの統廃合(トヨタ RAV4への一本化)もあり、新型ハリアーの開発は難航しました。
結局は「日本市場専用車」という方向性を見出し、新型ハリアーは現在の姿に落ち着いたのでした。
「あるべき姿」に気づいたハリアー
現行型(ZSU・ASU・AVU6)ハリアーは、現在では当たり前に行われるものとなったエンジンの「ダウンサイジング」を、思い切って取り入れたモデルでした。
北米などの市場も視野に入れて開発されていた2代目(ACU・MCU・GSU3)ハリアーまでのエンジンは
- 直列4気筒、2400cc、160馬力
- V型6気筒、3500cc、280馬力
- ハイブリッド+V型6気筒、3300cc、211馬力
の3種類で、どれも北米市場を見据えた大排気量エンジンを搭載していました。
引用:https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcTussjydpp5UjVa1ZNwncnr670WYCaQy7IlW3DwOI8R2qSjfypl
当時日産 ムラーノなどといった高級クロスオーバーSUVと完全に競合するラインナップで、
次第に2000cc前後の排気量帯が主流となっていく中で、大排気量であったり、ガソリンもハイオク仕様のものがあったりするなどで、
低燃費・小排気量を求める「コスパ(=コストパフォーマンス、費用対効果)」を重視する風潮から、次第にユーザー離れが起きました。
これらのニーズに対応すべく「海外ではRAV4、国内ではハリアー」と明確に棲み分けを行うことで
新たに「ダウンサイジング」の概念を新型ハリアーに導入し、激変する日本市場に対応することで、再びその王座に返り咲くこととなりました。
現在のトヨタ 新型ハリアーのエンジンラインナップは
- 直列4気筒、2000cc、151馬力
- 直列4気筒ターボ、2000cc、231馬力
- ハイブリッド+直列4気筒、2500cc、197馬力(システム最高出力)
となっています。
日本国内におけるSUVのライバル車種に搭載されるエンジンと、ほぼ同等のラインナップとなりました。
国内市場の成熟と新燃費基準「WLTC」
ただ近年、SUV市場の成熟に呼応する形で、マツダ CX-5やスバル フォレスターなどが排気量の拡大化を図っています。
これは2018年10月からスタートする新燃費基準「WLTC」を見据えた設定ともなっており、
ダウンサイジング一辺倒だった潮流に、逆転現象が起こりつつあります。
こうした現状を見て、トヨタは2019年に海外のみで販売していた「RAV4」を再び日本国内に呼び戻し、
大排気量の本格SUVとして攻勢をかけるつもりのようです。
新型ハリアーの乗り心地は、固め、柔らかめ、それとも見晴らし重視?
引用:https://toyota.jp/harrier/
エンジンラインナップについてはダウンサイジングして控えめになりましたが、
車体設計については「日本国内専用車」となったことで、より日本での使用に特化した乗り心地や操作性を与えられています。
海外の道路事情は、日本に比べて平均速度が高い傾向にあります。
そのためクルマは、それに合わせるために足回りなどの乗り心地に関わる部分の設定が、比較的固めとなるのが通例です。
こうした事情もあり、これまでのハリアーはよく「高速道路は良いが、一般道での突き上げが激しい」と言われてきました。
この乗り心地に関する懸念を解消してきたのが現行型(ZSU・ASU・AVU6)ハリアーです。
2000ccの手ごろなサイズ感となったトヨタ 新型ハリアーは、従来の目線の高さや見切りのよさはそのままに、
足回りの設定をより日本の道路事情にマッチするように設定し、乗り心地に関する問題を解消しています。
ただそれもフワフワするような安っぽい改変ではなく、トヨタ 新型ハリアーの「高級セダンの乗り心地」というテーマに沿った改良です。
高級セダンは乗り心地はもちろんのこと、高い速度域でもフラットに安定して走行する性質が与えられています。
そうすると極低速域での乗り心地にややゴツゴツ感が出るのですが、それがいわば「高級セダン」というものです。
トヨタ 新型ハリアーもそうした乗り心地を与えられており、完全に骨抜きとなったわけではないようです。
ただ一方で国内には、枝分かれしたかつての兄弟車種であるレクサス RXや、プラットフォームを共有するレクサス NXがあり、
そうした高級クロスオーバーSUVとの棲み分けに課題が残っています。
実際クルマとしては、ハリアーはかつて海外でレクサス RXとして販売されていた車種で、
現在のものとは違うクルマとはいえ、日本では「RX=ハリアー」の構図は根強く残っています。
一方で車体そのものはプラットフォームを共有するレクサス NXと近く、価格帯もかなり近接していることから
特に価格面で「それならNX買うのと変わらないじゃん」という意見が出ているのも確かです。
トヨタ 新型ハリアーは、乗り心地の設定一つでもさまざまなジレンマに立たされる、難しい存在なのです。
新型ハリアーの加速性能は、期待を上回る加速感があるのか?
引用:http://gtavphoto.blog.jp/archives/31452090.html
トヨタ 新型ハリアーの加速性能は、その「期待」をどこに置くかによって意見が180°変わります。
かつてレクサス RXとしても販売されていた2代目(ACU・MCU・GSU3)ハリアーの、低回転のトルクでゆるゆると走るような、
「いかにも」といった感じのアメ車感を求める場合は、もしかしたら今回の新型ハリアーは、どのエンジンを選んだとしても期待外れとなるかもしれません。
しかし最近のミドルサイズSUVのトレンドとしては2000ccガソリンエンジンはメインストリームであり、
環境対応モデルがモアパワーも兼ねているというのも、ある程度共通するところです。
トヨタ 新型ハリアーは車体がやや重たい分、2000ccの加速感ではライバルに劣る面もありますが、
それでも2000ccクラスを許容するユーザー層には「これで十分」と好意的に受け入れられているようです。
引用:https://encrypted-tbn0.gstatic.com/images?q=tbn:ANd9GcTJfwthkSOWOkpqgZxF1RNLKMwuu_nlcVeo4btn37-g6QtmoXY1
ただ近年はマツダ CX-5やスバル フォレスターなどの台頭により、SUVにも乗り心地だけでなく「キビキビとした走り」が求められるようになってきました。
こうしたニーズに対応するために生まれのたが、2017年6月登場のターボ車というわけで、
ある意味ELEGANCEグレードをベースとした「GR SPORT」の本命はターボ車とも言えます。
クルマ大好き、レース大好きのトヨタ自動車の社長・モリゾーこと豊田 彰男氏の影響を色濃く受けたグレードで、
トヨタ 新型ハリアーもその例外ではなかったということで、ハリアー好きとしては嬉しい限りですね。
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